ITキャリアアップ
ネットワークエンジニアには「開発スキル」も必須になるかも?
従来は、ネットワークエンジニアの仕事でプログラミングなどの開発スキルを活かせる場面は少なかったのですが、今後は変わってくるでしょう。
今後ネットワークエンジニアとして生き残るためには、プログラミングのスキルが必須となる時代が来るかもしれません。
ここではネットワークエンジニアとプログラミングについて説明していきます。
ネットワークエンジニアにとっての開発スキル
(画像引用元:Unsplash)
従来の開発スキルと言えば、プログラマーやシステムエンジニアといわれる職種の仕事に必要なスキルであり、ネットワークエンジニアには関係が薄いという位置付けでした。
もちろん、ちょっとしたスクリプトでデータの整理をすることはあったでしょう。
しかし、ネットワークエンジニアの仕事のほとんどは、ネットワーク機器メーカーによって定められた設定コマンドが主な仕事道具です。
CiscoならIOSのコマンドとプロトコルを覚えることで、ネットワークのシステムを構築していきました。
そうして構築したネットワークシステムにはサーバエンジニアが構築したサーバーが接続されサービスを提供します。
さらにそのサーバー上にはプログラマーが開発したアプリケーションが導入されます。
最後にクライアントパソコンがネットワークシステムに接続され、ユーザはサーバー上のアプリケーションやインターネットへの接続、メールなどを利用できるようになります。
これが今までのネットワークシステムの構築の主な役割分担です。
ネットワークエンジニアの仕事は一番最初にネットワーク機器を導入して機器の設定をする事で、システム開発をすることはありませんでした。
しかし、今後はこの流れも変わっていくことが予想されます。
ネットワークエンジニアも身に付けたい開発スキル
(画像引用元:Unsplash)
仮想化ネットワークではネットワークシステムを構築する時にプログラミングのスキルが必要です。
今後仮想化ネットワークが普及すれば、ネットワークエンジニアはメーカーごとに異なるコマンドを覚えていた代わりに開発言語を覚える必要がでてきます。
ところで、仮想ネットワークにはなぜプログラミングなどの開発スキルが必要となるのでしょうか。
まず、仮想サーバーのメリットとして、容易にサーバーを増やすことや移動することができるという点があります。
そのようなサーバーを移動した場合、適切に仮想ネットワークの設定しなければならず、とても複雑な作業となります。
しかし、そこをプログラミングで制御することで、サーバーを増やしても、増えたサーバーに合わせて自動でネットワークを再構築できます。
このようにネットワークと開発スキルは、今とても注目されている組み合わせなのです。
Open Flow/Software Defined Network(SDN)技術
ネットワークを構築するとはメーカーが作った機器にたいして、メーカー固有の設定方法を用いて設定するということです。
メーカーが異なっていても標準化されたプロトコルで動作させているので、問題なく動作するというものでした。
標準化プロトコルがあることで、様々なメーカーの機器を同じネットワーク上に繋ぎ通信できるようになりました。
これがネットワーク制御技術のOpen Flow登場で変わってきます。
Open Flowによって、ネットワークの動きを自由にプログラミングで制御することが可能になります。
プログラミングでネットワークを制御できるようになることで、標準化プロトコルの制限を受けなくなります。
さらに従来のネットワークの考え方と大きく異なってきます。
ネットワークの動きを全てプログラミングで制御できるため、IPアドレスやMACアドレスを使用する必要もなくなってきます。
さらにプログラミングによってネットワーク構築の自動化も可能になります。
このようにOpen Flowではプログラミングは必須となります。
Open FlowはOpen FlowコントローラとOpen Flowスイッチによりネットワークを制御します。
Open Flowコントローラからフロー制御するための情報をOpen Flowスイッチへ送信します。
Open Flowスイッチはこの情報によりパケットを転送します。
従来のスイッチやルーターが一つの機器でもっていた、データの転送と制御をOpen Flowでは分離しています。
このような仕組みを標準化しているので、メーカーが異なる機器を接続しても動作し、機器による制約もなくなります。
スイッチやルーター、ファイアウォール、ロードバランサーなどの動作を全てプログラミングによって定義することができます。
特殊なやり方ではなく従来のプログラミングの開発手法やノウハウがそのまま生かせるため、プログラマーがこの分野に進出してくることでしょう。
プログラマーはネットワークのスキルを身につけ、ネットワークエンジニアはプログラミングスキルを身につけてどんどん境界線がなくなっていくでしょう。
さらにクラウドなどの環境では自動化するために様々なスクリプトが動作しています。
このため、今後ネットワークエンジニアとしてプログラミングを行うことは避けては通れなくなるでしょう。
ネットワークエンジニアのスキルと将来
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ネットワークエンジニアは、今後ますますネットワークスキルのみでの仕事ができなくなっていきます。
専門性も大事ですが、サーバーOSのスキルやプログラミング、仮想化など多様なスキルを身につける必要がでてきています。
昨今ではネットワークからサーバーまで、設計も構築もできるエンジニアが求められています。
さらにSDNなど仮想ネットワークの技術も進んだことで、ネットワークエンジニアもプログラミングのスキルが求められるようになっています。
どれか一つのスキルを磨いて伸ばすことを継続しつつ、サーバーやプログラミングなどの基礎を勉強していきましょう。
その中で肌にあう分野には力を入れていく方針はどうでしょうか。
まとめ
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いかがでしたでしょうか。
今後は仮想化ネットワークが進むことでプログラマーとネットワークエンジニアの仕事の領域も重なっていきます。
今後のキャリアアップにおいて、プログラミングも視野にいれてスキルアップを図ってみてくださいね。