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巨大かつ複雑!ビッグデータの正体とは…?
皆さんもビッグデータという用語を、一度は耳にしたことはあるのではないでしょうか。
「どうせ大きいだけのデータでしょ!」と文字だけを見ると思いがちですが、実はそうではないのです。
本日はビッグデータについてお伝えさせていただきます。
ビッグデータとは?
ビッグデータが可能とする事象は情報の収集、検索、共有、転送、解析など多岐にわたります。
ビッグデータとは、単にサイズであったり、データの量を意味しているわけではなく、
一般的なデータ管理・処理ソフトウェアで扱うことが困難なほど巨大で複雑なデータの集合を表す用語のことです。
さまざまな形、性格、種類を持ったデータを意味し、それらを用いてビジネスの効率や効果を上げることができる情報と、その情報の使い方のことを表しています。
データ利用者は、
・高解像(事象を構成する個々の要素に分解し、把握・対応することを可能とするデータ)
・高頻度(リアルタイムデータ等、取得・生成頻度の時間的な解像度が高いデータ)
・多様性(各種センサーからのデータ等、非構造なものも含む多種多様なデータ)
を求めているため、結果的に「多量」のデータが必要となります。
これらの需要に対して、データ提供者は、以上の「多量性」に加えて、同サービスが対応可能なデータの特徴として、
・多源性(複数のデータソースにも対応可能)
・高速度(ストリーミング処理が低いレイテンシーで対応可能)
・多種別(構造化データに加え、非構造化データにも対応可能)
が求められることになります。
実用例
・ICチップ付きの交通カード
SuicaやPASMOを代表するICチップ付きの交通カードでは運賃の支払いだけではなく
これらのカードを使って買い物をすると、「誰が」「何を」「何回買った」のかが自動的にビッグデータとして蓄積されていきます。
それらを内部システムとして活用し、旅行業やキャリア通信業にも利用しています。
・配車支援システム
配車支援システムはタクシーの運行実績に、ビッグデータを利用し、
スマホの位置情報を利用して時間帯別人口や、開催されているイベントなどの情報を掛け合わせて需要予測しています。
東京都内での精度検証は、9割越えという高い数値を叩きだし、ドライバーの売り上げ向上にも貢献したという成果が出ています。
・ディズニーワールドでの一括支払い
フロリダのディズニーワールドでは、マジックバンドというIoTを利用したリストバンドがあります。
内蔵されているセンサーで、入場からアトラクションの予約、ホテルのチェックインまで一括して利用できます。
さらにディズニーは着用者の行動をデータとして収集し、アトラクションの混み具合やレストランの滞在時間を調べることで、
スタッフの配置や在庫補充に役立てており、ビッグデータとしても同時に活用しています。
これまでにご説明してきたようにビッグデータの特徴として、データの提供側でも利用側でも、多量性、多種性、リアルタイム性が重要となっています。
ICTの進展により、このような特徴を伴った形でデータが生成・収集・蓄積等されることが容易に可能になってきており、
業務運営の効率化や新サービスの提供が可能となる点が、ビッグデータ利用の優位点と言えるでしょう。
おわりに
如何だったでしょうか?
本日はビッグデータについてお話させていただきました。
最近では、ビッグデータ、AIなどニュースで頻繁に取り上げられており、別々のものと捉えがちですが、
それぞれはあくまで手段であり、目標は何かを成すためにあるということです。
ビッグデータ等はその目標に対しての判断材料として存在しているのであって、ビッグデータの収集自体を目標としないよう気を付けなければなりません。
それらの技術を構築、運用、監視していくのが我々ネットワークエンジニアの使命と言えます。