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シスコ技術者認定プログラムの最高位資格『CCIE』とは
ネットワークエンジニアに欠かせない資格として、シスコシステム社による技術者認定資格があります。この認定資格は技術スキルによって細分化されており、自分のスキルや知識に応じた資格を受験することが出来ます。
その中でCCIEと呼ばれる、最高位の資格があります。この最高位の資格はどのようなものなのでしょうか?今回はCCIEについて説明していきましょう。
CCIEとは?
CCIEは「Cisco Certified Internetwork Expert」が正式名称です。種類はCCIE Routing and Switching、CCIE Security、CCIE Collaboration、CCIE Wireless
CCIE Service Provider、CCIE DataCenterの6種類です。中でもルータやスイッチによるネットワーク構築能力を認定する「CCIE-Routing and Switching」と、リモートアクセスに関する専門知識に重点を置いた「CCIE-ISP Dial」の2種類がポピュラーな資格とされています。CCIEの中でもエントリー的な位置づけである「CCIE-Routing and Switching」に関しては、年を追うごとに取得者が増えており、希少価値は弱くなっていますが、高度な技術力を証明できる資格であることは現在も変わりありません。
国際的に通用する資格で、ネットワークエンジニアにとって最高のステータスの一つとして知られています。
CCIEを受験するには
シスコシステム社の技術者認定資格を取得するには、「CCNA→CCNP→CCIE」と、段階的に受験していくのが一般的です。その中でもCCNPを受験するにはCCNAを取得している必要があります。
しかしCCIEを受験するには、CCNA及びCCNPの取得は必要ありません。受験するために必要な資格は全くないのが特徴です。しかし最高位の資格というだけあり、テストの難易度はかなりのものになっています。パソコンでの電子テストだけではなく、2日間のラボ実技試験が行われます。また試験は英語でしか受けられません。ネットワークの知識だけではなく、実技や語学力も求められるのです。
その他CCIEの受験に関して、まとめました。
・受験料が高い
筆記試験の受験料:44,100円
ラボ試験の受験料:174,825円
・ラボ試験の対策は困難であり、難易度はかなり高い
・最も難易度が高く、最も資格価値が高いのは「Security」
・維持費が高い(2年で概算6万円)
・認定後は2年以内に更新しないと失効する(+2年間の実務経験が必要)
このようにCCIEを取得する道のりはかなり困難なものですが、取得するとネットワークエンジニアとしての選択肢や収入がかなり変わってくるでしょう。
CCIEを取得すると年収はどうなる?
これだけ難易度が高いCCIEを取得すれば、年収アップを期待するのは当然でしょう。区切りとして「ネットワークエンジニアとして年収1,000万円超え」を目指している方も少なくないはずです。しかし現実問題として、CCIEを取得しただけでは誰でも年収1,000万円超えが可能になるわけではありません。もちろん、資格を所持していない方よりは高収入が期待できます。ただ、ネットワークエンジニアとして高収入を目指すためには「資格+α」が必要になるのです。
ではこの「+α」の部分は一体なんなのでしょうか?
資格を活かしつつ、他のスキルも磨こう
年収アップを目指すということは、会社からの評価を上げなければなりません。もちろん早々に独立してしまい、高収入を目指すという手もありますが、会社に所属していたとしても独立したとしても、CCIEを所持しているということだけでは頭打ちになってしまいます。つまり、CCIEを活かしながら他のスキルを磨かなければなりません。
ネットワークエンジニアにとってプロダクトマネジメントはとても重要なスキルです。このプロダクトマネジメントスキルは会社に所属していた方がスキルアップの機会が多々あり、独立してからでは経験を積むことが難しいスキルです。つまり、会社に所属している間にプロダクトマネジメントスキルや、その他のネットワークエンジニアにとって必要なスキルを身につけ、社内での評価を上げ収入アップを目指す、もしくは転職、独立の道を模索するのがベターでしょう。
いかがでしたか?
CCIEはとても難易度が高く、受験料や維持費が高い資格であることが分かりました。それと同時にその難易度や価格に見合った資格であり、ネットワークエンジニアの道を究めるのであれば、取得を検討するに値する資格です。
しかしCCIEを取得するのがゴールではありません。CCIEを活かすも殺すも、取得後の仕事への取り組み方や、どれほど研鑽するかということにかかっています。
CCIEに興味のある方は、是非受験して、合格を目指して下さいね。