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最近話題の”人工知能”。ネットワークエンジニアの関わりについて

最近なにかと話題の人工知能(AI)はSF映画や小説の中の言葉でしたが、今ではテレビや雑誌などでも頻繁に見かけるようになりました。
しかし、なんとなく怖いような気もする程度で詳しくは知らないという人も多いかと思います。
そこで今回は人工知能の基礎知識とネットワークエンジニアとの関わりについて解説していきます。
人工知能(AI)とは

(画像引用元:Pixabay)
人工知能(AI)とは人間のような知能をコンピュータ上で実現しようとする技術とそれらを研究するテーマのことです。
人間のような知能をコンピュータ上で実現することを目指して研究している人もいれば、特定分野に特化して人間のようなことができるプログラムを研究している人もいます。たとえば、囲碁ができるようなプログラムを研究している人などです。
人工知能とは、なにも人間のように考えるコンピュータだけを指すのではなく、特定分野の分析などができる機械やプログラムも人口知能なんですね。
人口知能研究の歴史

(画像引用元:Pixabay)
人工知能の研究は1950年代からはじまっています。
当初は「推論」や「探索」が可能なプログラムができたので機械翻訳などができるようになりました。つづいて1980年代には、コンピュータに知識を登録することで様々な推論が可能となりました。そして、その技術で特定分野に特化したシステムを構築することができるようになりました。
囲碁やチェスのゲームをしたり、病気の症状を入力することで診断するといったことです。
しかし、このようなシステムを構築するためには、事前にコンピュータ処理できるように知識となるデータを登録する必要があるのが難点でした。つまりは、世の中のすべてのデータをコンピュータの知識として登録することは困難なため、限界が見えていたのです。そのため、ブームは収束しました。
その後2000年から現代にいたるまで次の人工知能ブームがきました。
「ビッグデータ」を活用して人工知能が自身で知識を獲得する「機械学習」が実用化されたのです。そして、人工知能ブームがさらに発展して「深層学習」により知識を自身で定義することもできるようになりました。
人工知能の研究分野
人工知能は研究分野がたくさんあります。
ここでは各研究テーマについて説明してきます。
・推論・探索
「推論」は知識をもとに人間と同じように思考して結果を得ることです。たとえば、オセロや囲碁などのゲームで人間と対戦できるのは推論の研究によるものです。
続いて「探索」ですが、これは問題をコンピュータが理解できるように記述してやれば、総当たりでコンピュータが回答を導くことができるという分野です。コンピュータに迷路などの道を調べさせることができます。
・エキスパートシステム
特定分野の専門家のように質問に対して、回答できるシステムです。
たとえば、機械が故障した場合、観測データによりどこに原因があるのか診断するということができます。前提として専門分野の知識を登録することが必要になるので、コンピュータに知識を登録するコストがかかるという問題点があります。
・機械学習
コンピュータにより大量のデータからパターンを見つけ、知識を自ら学習し、まだ見ぬパターンを予測することができる技術のことです。たとえば、買い物した商品から次に買うだろう、おすすめの商品を提案したりすることです。これは広告の分野で活用できます。
さらに、日本語を英語に訳す場合でも多くの場合、このように訳されているということを学習することで対応できます。
しかし、これはパターンの中から区別する方法なので、人間が機械に教える必要があります。
たとえば、人間は猫の画像を見た瞬間に判断できますが、機械はできません。
そこで機械に膨大な数の学習をおこなってやることで、猫の画像を間違える確率を下げることができるのです。もちろん、猫の画像の特徴を学ばせるのは人間が行う必要があります。この点が機械学習の課題といえます。
・ディープラーニング

(画像引用元:Pixabay)
ディープラーニングはニューラルネットワークをもとに、人間の脳神経回路を真似することでデータの分類をしようとしたアルゴリズムです。
たとえば、上の写真を見たとき「あ、カブトムシだな」と思うはずです。たとえカブトムシを知らない人でも「虫だな」、「生き物だな」など何かしらを認識し、判断しているはずです。
写真を見てカブトムシだと判断できたのは、無意識のうちに脳内でプロセスをたどったからです。
- これまで図鑑やテレビ、実物でカブトムシを見たことがある
- 角、足の本数、色など、カブトムシの特徴を記憶している
- 画像を見た時に今まで学んだ特徴と照らし合わせて、もっとも近いものに関連付けてカブトムシと判断した
ほとんどの人は一瞬でカブトムシと判断できますが、それまでに脳の神経回路では今まで学んだものと照らし合わせる作業が行われていたんですね。
このように脳内の神経回路網とそのプロセスを模倣したものが「ニューラルネットワーク」という機械学習ロジックであり、これを多層にしてより正確性を求めたものが「ディープラーニング」です。
人工知能の活用領域とは

(画像引用元:Pixabay)
人工知能は識別、予測、実行の3つの分野で活用されると言われています。
それぞれ特徴を説明していきます。
・識別
音声認識、音声認識、動画認識、言語解析
・予測
数値予測、マッチング、意図予測、ニーズ予測
・実行
表現生成、デザイン、行動最適化、作業の自動化
人工知能とネットワークエンジニア

(画像引用元:Pixabay)
ネットワークエンジニアなどITエンジニアは、人工知能が実用化された世の中ではどうなっていくのでしょうか。
人工知能が実用化されることで、職業によっては雇用が減るものもあります。
ではネットワークエンジニアは、どうなるのでしょうか。
結論としてネットワークエンジニアなどのシステムエンジニアは機械化の可能性が低いと言われています。他には医師・薬剤師・教師・看護・介護職などの職業は機械化の可能性は低いでしょう。
一方で機械化される可能性が高いとされる職業として、事務員・運転手・建設現場スタッフ・飲食店スタッフなどがいわれています。
ネットワークエンジニアは機械化される可能性が低いとはいえ、人工知能(AI)によりエンジニアの負荷が軽減されていくでしょう。
たとえば、人工知能により最適な設定方法を提案してもらうことができれば、ネットワークエンジニアは提案された設定方法から最適なものを選択することになります。または、設定した結果がどうなるのかを検証する作業も人工知能が行うようになるかもしれません。
おわりに
人工知能(AI)を便利に使って複雑で時間のかかる調査、検証などをコンピュータにしてもらい、人間は最適なものを判断するという分業を行うなど仕事のあり方がかわっていくことでしょう。
人工知能と上手に付き合って単純作業や大量のデータの分析などは、どんどん人口知能にやってもらう時代はすぐそばまできています。
とはいえ、ネットワークエンジニアも業務の中で、人工知能はどういった分野が得意なのか、人間がやるべき範囲は何かを抑えておくことが今後のネットワークエンジニア求められるスキルになっていくでしょう。