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【宇宙キターッ】通信を担っている?インターネット衛星とは?

NVA編集部NVA編集部

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2018.05.10(Thu)

【宇宙キターッ】通信を担っている?インターネット衛星とは?

我々は日常生活において、滞りなくインターネットにアクセスすることが出来ています。
その通信を支える技術として、電波や物理的な電気信号を通して我々は、インターネットに通信することが出来ています。
その中でも、世界中のネットーワークを担うことの出来る衛星インターネットサービスについてご紹介します!

そもそもインターネット通信衛星って?


IT用語辞典バイナリによれば、「インターネット通信への利用を主な目的とする通信衛星のことである」となっています。
その名の通り、インターネットに衛星を介して通信する技術のことです。
一般的な通信は、最終的に海底ケーブルを介して通信が行われています。
例えば、日本からアメリカのGoogleサーバーにアクセスする場合、最終的には物理回線を介して通信が行われています。
それを担っているのが海底ケーブルです。
しかし、海底ケーブルは地球に引かれた線であるため、自然災害や物理的な障害(サメによる攻撃もあるらしい)に弱いというデメリットがあります。
そこで、利用されている技術がインターネット衛星による通信です。
インターネット衛星による通信は、無線での通信を行うため、災害が起きた際や海底ケーブルを引けないエリアでも、衛星を介して通信することが出来ます。

日本が誇るインターネット衛星「きずな」


皆さんは日本が誇る超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)をご存知でしょうか?
「きずな」は、JAXAと国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が共同で開発したインターネット衛星です。
2008年に打ち上げられ、現在でも運用が行われています。
「きずな」は、世界最高速の3.2Gbpsの超高速でデータ通信を行なうことができ、3.2Gbpsで通信できるインターネット衛星は「きずな」だけだそうです。
さらに、世界で初めて4Kの映像を非圧縮で伝送することを可能にしました。
(動画は解像度が上がると、容量も重くなります。非圧縮だと膨大なデータ容量となります・・・・・・)

ここがすごい!「きずな」の技術


マルチポートアンプ


「きずな」による超高速通信を行うには、”Ka帯” という大容量の通信に向いている特殊な周波数帯を利用します。
この周波数帯は、雨天時にノイズが混じってしまいうまく通信できないことが問題となっていました。
「きずな」では、送信ビームの出力を自在に増幅できるマルチポートアンプを搭載し、雨の降っている地域にピンポイントで強力な通信を送ることができるようです。

アクティブ・フェーズ・アンテナ


「きずな」がカバーしている通信範囲は日本だけではありません。
アジア諸国、太平洋主要都市など、地球のほぼ半分という実に広大な地域をカバーしているそうです。
通信が多く行われている地域に向けてアンテナを高速で制御し、効率の良い通信を実現する技術がアクティブ・フェーズ・アンテナです。
これらの技術によって高速通信を実現しています。

ソフトバンク、Googleも注目!?インターネット衛星の今後


インターネット衛星は、MicroSoftやNTTが開発に着手してきましたが、コストの面や技術の限界により、一時期下火となっていたものの、昨今Google社やソフトバンクが再び注目しています。


米Googleが2015年にイーロン・マスク率いる「SpaceX」に10億円の出資


2015年、Googleは地球規模でのインターネット接続環境構築を推進するため、イーロン・マスク率いるSpace X社に米資産運用大手Fidelityとともに10億円の出資を行いました。
Space X社は、ロケットや宇宙船の開発・打ち上げを行っている会社です。
2016年には、スペースXが、約4,000個あまりの衛星を打ち上げる計画を米連邦通信委員会(FCC)に申請しました。
さらに、最新の動向では2018年2月に自社の衛星ブロードバンドサービスをテストするための、自社の通信衛星2基を軌道に送り込みました。
実現方法としては、小型衛星を飛ばし、衛星間でパケットを転送するというものです。
SpaceXのイーロン・マスクは、宇宙空間でのパケット転送はケーブルより40%速いとしています。

ソフトバンクが2016年One Web Ltd.に10億円の出資


全世界にブロードバンドを提供できる衛星コンステレーションの構築を目指しているOneWeb Ltd.に10億米ドル(当時約1,180億円)の出資を行いました。
One web は2020年初頭までに900機の低軌道衛星を打ち上げ、地球全体をカバー範囲とした衛星インターネットサービスを始めることを計画しています。

衛星スタートアップの「Astranis」


2015年に創業したAstranisは、1350万ドル(約14億円)のシリーズA資金を調達したと発表しました。
Astranisが作る衛星はワインクーラーほどの大きさで、世界各地にブロードバンド・インターネットを提供する能力を持っているとされています。
デジタル信号処理が可能なソフトウェア無線を採用しており、周波数バンドをあらかじめ組み込まずに柔軟に変更できる利点のある独自のソフトウェアも持ち合わせています。

ネットワーク業界から宇宙へ!


将来の夢は宇宙飛行士・・・・・・、ガンダムのような生活をしてみたい・・・・・・、子供のころに宇宙に希望を馳せた人々は多かったと思います・・・・・・。
私も、幼いころガンダムをみて、宇宙で生活することに憧れました。
しかし、大人になり、現実を見ると宇宙に関わることすら出来ない毎日・・・・・・。
そんな中、現在インフラ業界×宇宙の分野が再燃!子供のころに憧れた宇宙というフロンティアに羽ばたける可能性があります。

インターネット衛星はGoogleやソフトバンクが再注目しています。
現在この通信を担うインフラエンジニアは需要が増加しています。
つまり、現在インフラ業界は、宇宙と同じフロンティアとなっています。
未経験でも挑戦できるフロンティアです。
共に宇宙(そら)を目指して・・・・・・


参考サイト


衛星インターネットアクセス – Wikipedia
Webio辞書 インターネット通信衛星
Jaxa 超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)について
Forbes Japan 衛星スタートアップAstranisが目指す「宇宙インターネット」の実現
IT media NEWS Google、SpaceXの衛星ネット接続サービスに出資か──The Information報道
カラパイア 不思議と謎の大冒険 インターネットの海底ケーブルに関する10の事実
TechCrunch SpaceX、次期Falcon 9で自社の衛星ブロードバンドサービスをテスト
IT media NEWS SpaceX、2018年に人工衛星「SES-12」打ち上げへ
資料3-6 新時代を迎える衛星通信の利活用と技術開発 - 総務省
IT media エンタープライズ GoogleがSpaceXに巨額出資、その先に描くビジョンは?
WIRED スペースX、世界にネットを届ける「4,000個の衛星」打ち上げを申請
ソフトバンク プレスリリース2016年 ワンウェブ、ソフトバンクグループなどから12億米ドルの資金調達へ
WIRED 地球を「丸ごとオンライン」にする数百の小型衛星──米スタートアップAstranisの挑戦



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